改憲論議は、安倍政権とではなく、国民と

 『全国首長九条の会 結成のつどい』が、11月17日東京で開催される。わたしも参加しているのだが、当日は安冨歩先生の講演会と重なっていて、参加できない。以下のメッセージをお送りした。

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改憲論議は、安倍政権とではなく、国民と

2019,11,11   長野県前中川村長 曽我逸郎

 『全国首長九条の会』の発足、大変ありがたく喜んでおります。ここまで引っ張って下さった役員・事務局の皆さま、真にありがとうございました。結成後は、参加するみんなでスクラムを組み、取り組みを前進させて、安倍政権の横道を止めなければなりません。
 ところが、「結成のつどい」には、同日に飯田市で安冨歩先生の講演会を開催するため参加できず、申し訳ありません。代わりにメッセージをお送りいたします。

 安倍首相は、「憲法改正の発議をしないのは国会議員の怠慢」と主張しました。「改憲の議論に応じないのは怠慢」といった野党への挑発も耳にします。確かに、自民党が改憲論議に誘い込む入口にしようとしている国民投票法のみならず、憲法には不備な部分もないわけではありません。
 7条3項の恣意的拡大解釈によって首相の「衆議院解散権」が既成事実化している点や、53条に定める議院の要求による臨時会の召集に期限が設けられていない点などは、何らかの対応が必要でしょう。そのためには幅広く深い議論が必要です。
 しかし、その議論は、安倍政権とすることではありません。野党間で、野党と国民で、国民同士で議論すべきことです。
 憲法は、統治する権力を縛るのですから、縛る側の国民がどのように縛るかを議論すべきです。縛られる側が「こういう縛り方にしろ」と要求するのは、筋が間違っています。9条改憲も緊急事態条項新設も、縄を緩めてやりたいようにやりたいという、縛られる側の思惑です。認めるわけにはいきません。
 あるべき憲法の議論はじっくりと時間をかけて大いにやりましょう。ただし、安倍政権は蚊帳の外にして。国民同士で。

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