曽我様
長野県のパートナーズの金井です。
スーパーシティ法案が、もうすぐ通りそうだということを、今日初めて知りました。今国会でも野党の反対の中、衆院通過していたのですね。立憲民主党ニュースにも出ていたようですが、ノーチェックでした。
竹中平蔵氏が絡んでいるというところで、私の感覚ではまず反対なのですが、実際の内容はどのような物なのでしょう?
名前のイメージだけからでは便利さのメリットがありそうですが、今の政権がすることですから、「プレゼンテーション」の裏を考えずにはいられません。
来年に出す予定といわれるマイナンバーに関する法案(銀行口座との紐づけの義務化でしたか?)と合わせて、情報や金の出入りのチェックをしようという魂胆に思えます。
そんなに急いで(オートメーション化で)便利にする必要があるでしょうか?
ロボット等による作業の補助や精度向上は大歓迎ですが、人がやることを大幅削減して「人がやるべきことは“高度なことに特化”」させようとしても教育が追い付かないのではないかと心配になります。(結果、使えない人が続出しても、“自己責任”を理由に放置するとか)
* * * 曽我からの返信 * * *
メールありがとうございます。
スーパーシティ法案については、正直なところ、わたしも名前を聞いた程度で、十分に理解できていません。少し勉強させてください。
それにつけても、安倍政権は、どうしてこうも不要不急の問題法案を次々と出してくるのでしょう。
推察するに、新型コロナの今の状況にどう対処すべきか、根本的体系的に考えることは安倍政権はまったくしていない。その一方で、自分たちの利権を実現させたい連中が安倍政権のまわりを取り囲んでいて、コロナ禍を絶好の好機として、このどさくさに利権の法制化をもくろんでいるのではないかと思います。安倍政権は、今なすべきことにみずから取り組む意欲も能力もなく、せいぜいのところ、どうすれば「やってるふり」をアピールできるかくらいで、取り巻きの「お友達」の好き勝手をなし崩し的に追認するだけの存在でしかない。そうとでも考えないと、府に落とすことができません。
頂いたメールをこの返事ともども、HPに掲出してよろしいでしょうか。ご了承いただければ幸甚です。
(ご了解いただきました。)
金井利仁様
2020,5,26 そが逸郎
* * 若干の加筆 * *
スーパーシティ法は、2020年5月27日、参議院本会議で成立したそうです。
さまざまなデジタルデータをビッグデータとして一元把握することで、きめ細かな個人ニーズに対応した新たな住民サービスが可能になる、と謳われています。AIを使った新たなビジネス・モデルを生み出す実験都市をつくりたい、そして、そのビジネス・モデルを世界に展開して一儲けしたい、という思惑があるのでしょう。
しかし、その一方で気味の悪い危険性も危惧されています。
消費のパターンに基づいて音楽や映画、書籍、スポーツといった趣味嗜好が把握され、持病などの健康状況のみならず、友人とのつながり、政治的傾向にいたるまで、個人の情報が丸裸にされてしまいます。
今でも、インターネットでは、過去の購買履歴や検索に基づいて、お勧めの商品の広告がポップアップされます。
同様に、趣味嗜好にからめて、その人の気持ちに「刺さる」ような手法で、政治的なメッセージが、政治的とは感じられない洗練された表現で届けられる、いうなれば「心地よい洗脳」がAIによって実現できるのです。すでに、トランプ氏が大統領になった選挙戦では、フェイスブックを使って、そのようなキャンペーンが行われて問題になりました。
ユヴァル・ノア・ハラリも、新型コロナ・パンデミックが招来する未来として、そのような危険を警告しています。(HPの記事『新型コロナと監視社会 「緊急事態条項」』 https://itsuro-soga.com/2020/05/01/ を参照ください。)
個人情報のビッグデータを一元的に把握することによって、統治する側は様々なことができるようになります。
今後、どこかの自治体がスーパーシティになりたいと手を上げるかもしれません。危険性を広く共有して、対応しなければいけないと考えます。
2020,5,29 そが逸郎