曽我通信の感想

* * 米山宏さんから * *

通信の感想をお伝えします。

以前お話しした通り、私は曽我さんの主張には多くの点で考え異にしています。

ただ、日本にまっとうな政治を取り戻したいの一点で、曽我さんと立憲を支持します。

まっとうな政治の中で進められる政策ならば、私と考えと違っても、しかたがありません。

①一律10万円給付について

一律給付は、アベノマスクと同様に愚作の何物でもありません。

曽我通信9号の考えがまっとうなものだと思います。

すでに決まっているので、これ以上論評しても意味がないので止めます。

②BI、MMTについて

BIやMMTがまるでドラエモンの何でも叶えるポケットのように見えます。

どう考えても不自然で、不自然なことには後でしっぺ返しが必ず来ます。

黒田日銀総裁の「異次元の金融緩和」もそのたぐいです。効果が出ないばかりか副作用が現実に起きています。金融機能を元に戻すのは容易なことではありません。

マルクスレーニン主義(いわゆる共産主義)も同様です。あれだけ大勢の人がその思想に感化されたのだから、たぶん、共産主義はとてつもなく魅力的で、素晴らしいアイデアなんだろうと思う。けれど、その素晴らしいアイデアを実行した結果、どれだけ大勢の人が犠牲となり不幸になったことでしょう。

これは歴史が証明しています。共産主義はアイデアはよくても不自然なのです。BI、MMTも都合のよいことばかり主張していて、実行すれば、副作用でひどいことになるだろうと、これは長年の経験からくる私の予感です。

③れいわ新選組について

弱者に寄り添っているかのような主張は多くの支持者を集めると思うが、政権を担う勢力にはなりえないでしょう。

囲碁の考えに「大局観」というものあります。詳細は省力しますが、ようするにれいわ新選組には大局観がないのです。部分だけを主張していて全体が見えていないのです。私は山本太郎さんを全く評価していません。

維新の会も同様ですが、全体が見えないものが政治をすることは危険です。

曽我通信13号の曽我さんの考えには共感するところがありますが、れいわ新選組との関係は、是々非々で対応してほしいものです。

④枝野代表の原発事故対応について

通信13号で、枝野代表の原発事故対応を強く批判しています。私は全く逆の考えで、高く評価いたします。

あのとき、枝野代表は正直に事故状況すべてを国民に話していたとは思いません。

あの段階では、国民に冷静な行動をとってもらうことが一番大切なことだったと思います。パニックが起きたら災害はさらに大きくなります。

枝野代表の落ち着いた話しぶりは国民に安心感を与え、パニックが起きるのを防ぎました。誰にでもできることではありません。枝野代表の功績は大きいと思います。

新聞を読んだり、ニュースで事件を聞いたり、本を読んだりしたときに、いろいろと考えてもその場限りのこととして、時間の経過で忘れていきます。

これではいけないと思い、考えたことを文章にして、論理的に整理する努力をしています。

いくつか添付いたします。

米山宏

 

* * 曽我から * *

メールを頂戴し、ありがとうございます。

米山さんの考え方、了解いたしました。

わたしは、国家財政(これまでの考え方に従い歳入で歳出を縛ろうとすると、福祉などを削らざるを得ない)とか、経済のグローバル化とか、格差貧困問題とか、気候変動・環境破壊とか、従来のシステムが行き詰っていて、なんらかの打開が必要ではないか、と思っています。あるいは、望むと望まざるとにかかわらず、今のシステムは崩れていくのではないかと。産業革命と同じ時期にアメリカの独立戦争やフランス革命が起こって王政の時代の幕が下り始めたように。

産業革命や植民地支配ではひどい搾取が行われましたし、フランス革命の後は政治の混乱で多くの血が流されました。米山さんが言われるとおり、副作用をどれだけ少なくするか、ソフトランディングにしていく努力・研究が必要ではないかと思います。

頂いたご意見をHPに掲載してもよろしいでしょうか?

すでに他の方々から頂いたいくつかのメールを掲載していますが、米山さんの視点・お考えはそれらとは異なるので、多様な意見を読んで考えていただけるようにできればありがたく存じます。

匿名でも構いませんので、ご検討いただければ幸甚です。

よろしくお願い申し上げます。

米山宏様

2020,4,18             曽我逸郎

 

* * 米山宏さんから * *

意見したことの公開は一向にかまいません。

少し内容をフォローします。

共産党について意見しましたが、私は右翼の叫んでいるような反共ではありませんので誤解のないようにお願いいたします。

人は、必ずしも理性的で合理的に行動するものではありません。素晴らしいアイデアであっても、現実に実行が困難なことを、無理に実行しようとすると大きな弊害がでることをいいたいのです。

いい方向のことばかり考えていると、「そうありたい」と思うばかりに、そこに潜む欠陥が見えなくなる、見たくなくなるものです。

先の大戦では、戦局が苦しくなった軍部は、自分らにとって都合のよいことばかりを前提にした作戦計画を立てて、大勢の犠牲者を出しました。思慮のない無謀な計画であったことは、戦後、多くの戦歴家、研究者が指摘しているところです。

MMTも異次元の金融緩和と同様で、困り切って、「こうあってほしい」「こうなればいい」と都合のよいことばかりを考え、「たら」「れば」を前提にしているようなものだと考えています。これは大本営の参謀と同じです。

公明党は嫌いではありません。ただ、浅はかだと思うだけです。

枝野代表について意見しました。

原発事故は、今回のコロナウイルスとは比較にならない日本有史最大の危機だったと思います。

場合によっては、日本国土の広い範囲で人が住めなくなるところでした。そうならなかったのは幸運というほかはありません。

何をどうすればよいかわからないとき、社会秩序を保つことが最も大事で優先されることだと思います。あのときの枝野副官房長の落ち着いた語りに国民は信頼を持ち、パニックを起こさずに済んだと思います。そのとき私はテレビ報道を見ながら、枝野代表は胆力のある人だと思いました。

先にメール添付した原稿には十分に意が伝わらないところがありましたので、添削しました。

差し替えてください。また、さらにいくつか追加添付します。

(曽我:添付いただいた原稿は、サイトの構成の都合で、割愛します。 すみません。どれも鋭い着眼で世を切り取っておられます。)