新年の街頭演説で思ったこと

 新年の街頭演説をしました。 4日は、上伊那で7か所。5日は、スタートが遅くなったので、下伊那北部で2か所。激励も頂きましたが、お叱りもありました。
 「野党はなにをやっている! しっかりしろ! あんなことを許しておいていいのか!」
 怒りや苛立ちが、沸々と湧き始めているように思います。
 一方、昨年末頃から新たな兆候も感じます。テレビの報道ぶりにわずかな変化が見えるのです。
 報道の重要な任務は、世の中の問題点を提示することでしょう。提示された問題をみんなで考え、間違いがあれば正し、課題を克服することで、世の中を良くしていくことができる。そのきっかけを提供するのが、報道の仕事です。
 にもかかわらず、昨今の大手マスコミの報道は、政権の問題については切先が鈍い状況でした。組織としてしがらみに縛られている一面もあるのでしょう。忸怩たる思いを抱えながら仕事をしてきた記者もたくさんいた筈です。
 ところが、ようやくわずかながら風向きが変わってきました。取り上げるべき問題はきちんと伝えねば、という思いが少し回復してきたと感じます。
 また、官僚の中でも、さすがに我慢しきれなくなって、矜持を持って世の中のためによい仕事をしようと、思いを新たにする人は確実におられるそうです。新年にあたって、恐れずにちゃんとした仕事をするぞと、改めて決意した官僚の皆さんもいるに違いありません。
 怒りや苛立ちが、主権者の中にあちこち広がり始めています。マスコミも官僚も変わり始めました。がんじがらめのしがらみも、緩みだせばほどけるのは案外早いものです。安倍政権の終わりは近い。今年かもしれません。政権交代も、思うほど遠くはないのではないでしょうか。
 そうなると野党間の協議が重要になってきます。膝を突き合わせた熟議によって考えを深いところで一致させておかないと、失敗を繰り返すことになります。安全保障を含む米国との関係の持ち方、原発に替わるエネルギー政策など、議論すべきテーマは多い。
 しかし、喫緊の課題は、税金の集め方、使い方ではないでしょうか。
 今、安倍政権下では、消費税のみならず、教育や福祉など重い国民負担を課せられ、多くの人が目先の暮らしに追われています。若い人たちも、自分一人が今を生きることで精一杯。それこそが、少子化の根本原因です。
 税金の集め方、使い方を逆転せねばなりません。今の、低所得層からも容赦なく徴収しながら、政権と関係の深い一部のお友達や大企業、外国資本を優遇するやり方を反転し、今甘やかされている「勝ち組」からしっかりと徴収して、みんなの暮らしのために税金を使うのです。
 日々の暮らしにゆとりを取り戻すこと。人々の購買力を回復し、内需を高めて、誰もが実感できる景気にせねばなりません。そうなってこそ、みんなが、のびのびと、それぞれの希望に向かって進める活力ある社会を実現することができます。
 取り急ぎさしあたっては、きちんと情報公開をし、はぐらかさず真摯に議論をするルールを定めるだけでも、税金のおかしな使い方はできなくなり、みんなの暮らしに役立つ使い方になるはずです。
 今年は、2020年代の decade(10年間)の始まりの年。これまでの沈滞に別れを告げ、誰もがのびのびとおおらかに暮らせる世の中をこの10年で実現するために、みんなで一歩を踏み出したいと思います。

2020年1月7日 立憲民主党長野5区総支部長 そが逸郎

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