「ドローンやGPS搭載の自走農機を導入すれば、日本の農業の未来は明るい。」 そんな記事を信濃毎日新聞でしばらく前に見た。宮下一郎衆議院議員の主張だ。氏は、自民党の農林部会長である。つまり、それが自民党の考えなのだろう。 しかし、これを農業政策の柱に据えれば、かえって日本の農業は疲弊する。補助金をつけるのだろうが、農家も負担させられるに違いない。結局のところ、農業機械メーカーを潤すだけ。これまでと同じだ。省力化だけを推し進めれば、農村集落の高齢化・人口減は、ますます深刻になる。 重要なことは、農業出荷額や生産性ではない。農村集落の暮らしを守ることだ。協同作業やお祭りといった伝統と文化を担う共同体を引き継ぎ、それをいきいき楽しいものにすること。農業以上に、農村集落を守りたい。中川村長として目指したことだ。 先日、三上元さんから、「コロナ対策は、業界や企業ではなく、困っている人の暮らしを直接支援すべき」とのご意見を聞いた。((13) そが逸郎の「おはなし聞かせてください」 – YouTube) 農業も同じだ。農家への戸別所得補償や就農支援を手厚くすべきである。学校給食の食材に有機作物を補助推奨する制度によって、安全安心な食の提供を志す地元農家を支援し、有機農業を拡大することも、国内農業育成など、いくつもの成果をもたらす。農村での暮らしを夢見ながら、踏み出せないでいる若者も多い。兼業農家も大切だし、出荷せずとも農村集落の一員となってくれるだけでもありがたい。 都会の大企業の目先の都合ばかりを優先する政治は終わらせて、誰もがのびのびと自分の生きたい生き方ができる社会を目指すべきだと思う。 |
2021,1,24 そが逸郎