種苗法改悪の動きに

 ご縁を頂いた方々にお送りしている『そが逸郎通信』21号を転載します。

 「種苗法改悪の手続きが、コロナ騒動の陰で着々と進められている。もはや崖っぷちだ。立憲民主党はしっかり立ちはだかってほしい。」

 このような要請が、『子どもの食・農を守る会伊那谷』の関島百合さんからありました。それを受け、昨晩(2020,5,10) 以下のメールを、県連と党本部に送りました。

 なんとか阻止しなければなりません。
 しかし、安倍政権は強行採決をしかけてきそう。国民の暮らしの土台を壊してまで、なぜこれほどまでにグローバル資本に阿るのでしょうか?

2020,5,11

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立憲民主党 代表代行 選挙対策委員長 長妻昭様
      長野県連合代表 杉尾秀哉様

立憲民主党長野県第5区総支部長
そが逸郎


 まっとうな政治を実現するために日々奔走頂いていること、厚く感謝申し上げます。

 さて、種苗法について、長野5区の主権者から強い要請を頂いておりますので、お力添え下さいますようお願いいたします。

 長野5区では、『子どもの食・農を守る会伊那谷』というグループが、2017年末から種子法廃止に反対するなど、活発な活動を継続しています。その皆さんから要望がありました。

 種苗法を改悪する法案が、農林水産委員会で12日に趣旨説明され、14日にも採決されるのではないか、と懸念しておられ、立憲民主党からの委員である佐々木隆博衆議院議員に是非とも頑張って頂いて、種苗法改悪を阻止してほしい、との要望です。


 今回の種苗法改悪で最も懸念されていることは、自家採種の制限です。
 作物の遺伝子情報を知的財産として保護するためとされていますが、自家採種ができなくなって、企業から種を買うほかなくなれば、農家は経営上の大きな負担を背負い込みます。また、地方ごと農家ごとに多様な品種が育てられていたのに、農家が自分の望む品種を植えられないことにもなります。同一品種ばかりでは、病気や気候変動に脆弱です。

 そもそも日本の品種の知的財産権を守るためと農水省はいいますが、グローバル資本が跋扈する時代において、外国資本による日本企業の買収は日常茶飯事です。その場合、知的財産権も外国資本に買い取られ、日本の農家は、在来品種でさえ外国資本から買わざるを得なくなります。

 2018年春に種子法が廃止されました。これによって、都道府県の、コメ・麦・大豆の良質の種子を安定的に安価に農家に供給する義務がなくなりました。今後の農業と食の安全への影響を心配する農家、消費者の不安は強く、多くの県で、種子法に代わる種子条例が 

 制定されました。しかし、安定して種子を供給するには大変な手間と費用が必要です。根拠法がなくなって国からの交付がなくなれば、都道府県は続けることが不可能になるかもしれません。そうなれば、農家は、企業から種子を買うしかありません。

 一昨年の種子法廃止も、今進められようとしている種苗法改悪も、グローバルアグリ化学資本が、農業と農作物の流通を牛耳る目論見で日本に参入してくる道筋を整備するためではないかと分析されています。

 公的種子がなくなり、自家採種も禁じられれば、農家は企業から種子を買わざるを得ません。当然企業は競争しますが、世界の食と農を寡占する巨大グローバル資本が圧倒的に有利です。グローバルアグリ化学資本の、特許で守られた遺伝子組み換えやゲノム編集の作物しか栽培できない、食べられない事態に陥るでしょう。
 特許作物は、勝手に売ることも友人や親せきに贈ることも違反です。収穫した全量を特許をもつ企業に売るしかありません。種子の価格も、収穫した作物の価格も、農家は巨大資本と交渉せねばなりません。価格のみならず、自社の除草剤を何回かけろとか、栽培方法についても細かく定められた契約書にサインすることを要求されます。与えられたマニュアルどおりのがんじがらめの農業しかできなくなります。

 収穫のすべてを特許企業にしか売れないとなれば、その先の流通もその企業が独占することになります。遺伝子組み換えやゲノム編集は、例えば、除草剤耐性遺伝子の組み込みであり、毒素遺伝子の組み入れです。除草剤を大量にかけて育てる作物であり、虫が食べると腸に穴が開いて死んでしまう作物です。スーパーに並ぶ食材の多くがこのような農作物を原料にしており、そのような食材を日々食べ続けざるを得ない子供たちの健康が、米国では問題になっています。日本でも同様の事態が進んでいることを危惧して、主として女性たちが頑張っているのが、『子どもの食・農を守る会伊那谷』です。

 立憲民主党としても、日本の食と農を守るために頑張らねばならないと考えます。種苗法の改悪をさせてはなりません。何卒よろしくお願い申し上げます。

以上よろしくお願い申し上げます。

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『そが逸郎通信』お送りします。
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